2009年12月23日
黒部峡谷鉄道、冬じまいに備えて 前編
▼未明の宇奈月駅で出発を待つ作業列車。除雪のためのロータリー車をDD形の前に連結。DDの次位は作業機材を積んだ無蓋車、そして作業員を乗せる2両の客車と続く混合列車の編成
冬将軍に見舞われた先週末から今週にかけて、とくに北陸・東北地方では鉄道に大きなダイヤの乱れがありました。
暖冬と言われていただけに、この豪雪、まさに不意打ちを食らった状態。
先日遠征した磐越西線でも行き帰りの道中、高速道路が通行止めに加え、全く除雪がされていないなど、かなり難儀を強いられました。
昨年までは各地でラッセル車の活躍するニュースが伝えられるところですが、この冬から本格稼働を始めたJR東日本管轄のENR-1000の陰に隠れて今のところあまり耳に入ってきません。
除雪列車と言えば、少し前のことになりますが、某鉄道雑誌の取材で特別に入ることのできた冬眠準備作業の黒部峡谷鉄道。
この時の撮影は忘れられないものになりました。
冬将軍に見舞われた先週末から今週にかけて、とくに北陸・東北地方では鉄道に大きなダイヤの乱れがありました。
暖冬と言われていただけに、この豪雪、まさに不意打ちを食らった状態。
先日遠征した磐越西線でも行き帰りの道中、高速道路が通行止めに加え、全く除雪がされていないなど、かなり難儀を強いられました。
昨年までは各地でラッセル車の活躍するニュースが伝えられるところですが、この冬から本格稼働を始めたJR東日本管轄のENR-1000の陰に隠れて今のところあまり耳に入ってきません。
除雪列車と言えば、少し前のことになりますが、某鉄道雑誌の取材で特別に入ることのできた冬眠準備作業の黒部峡谷鉄道。
この時の撮影は忘れられないものになりました。
▼線路確保のため除雪作業を繰り返しながらウド谷出合いへと進む作業列車(鐘釣駅にて)
やはり普段は立ち入ることのできない世界、風景をこの目で見て、そして写真で記録できたことはとても大きかったと思います。
今回、版元の了承を得て、ブログでその一部を紹介したいと思います。
約束の宇奈月駅にはまだ夜の明けきらないうちに到着。
冬至前の短い日照時間を考慮してか、出発は思いのほか早かったと記憶しています。
既に架線は通電していないのか、列車はディーゼル機関車「DD」が動力源。
その前頭にラッセルに備えてロータリーヘッドを連結、次位には線路、橋桁撤去作業のための機材を積み込んだ無蓋車を1両、その後ろにはこれら作業を行うための人員と私たち取材スタッフ2名(雑誌系=私、大手新聞社富山支局員1名)を乗せた客車2両が連結されるというミキスト(客貨混合)。
JR、他私鉄では除雪列車と貨物・旅客列車は通常、分けられて運転されますが、効率を考えてか、それらがミックスされているのがとても興味深く思えました。
▼線路に積もった雪をロータリーの回転で掻き込み2条のダクトから勢いよく跳ね飛ばす(鐘釣駅)
JRでもこのように、例えばラッセルヘッド装着のDD16+客車みたいな編成を仕立てれば、結構、人気が出たりするのですがね…。
スコップやバール(?)その他一連の機材を積み込むと、やがて作業列車は出発、柳橋駅付近でようやく明るくなり始めました。
今回の目的は終着近く、鐘釣〜小屋平間、ウド谷に架かる橋脚とレール、架線等の撤去作業。
雪崩の危険にさらされるための措置です。
折からの大雪のため、駅構内では往路とともに復路をも確保するため、前進と後退を繰り返しつつゆっくり進みます。
とくに寒さによるポイント凍結防止には念を入れておりました。
鐘釣駅構内での除雪を終え、そこからトンネルが連続する中を走り抜けると、緩いカーブを描いた鉄橋を渡りますが、ここが今回の作業現場となるウド谷の出合いです。
▼現場のウド谷出合いに到着。降りしきる雪の中、作業機材を貨車から降ろす
列車は下流側にあるトンネルを少し出たところで停止、作業員が客車から出て、無蓋車から機材を取り出すと、いよいよ鉄橋の撤去が始まります。
列車はいったん、欅平へと回送、そこで機回しをして再びウド谷へ。
鉄橋を渡り、トンネルに突っ込んだカタチで停車しました。
鉄橋を取り払った後では機回しが出来なくなるからでしょう。
列車が戻ってくると、撤去作業は本格化しました。
*黒部峡谷鉄道にて(富山県宇奈月町<現黒部市>)
NikonF5+35mm、50mm、105mm、80〜200mm(RDP3)
2001.12.15撮影
『鉄道ファン』2008.02掲載「冬を迎えた黒部峡谷鉄道」と一部内容重複(了解済み)
やはり普段は立ち入ることのできない世界、風景をこの目で見て、そして写真で記録できたことはとても大きかったと思います。
今回、版元の了承を得て、ブログでその一部を紹介したいと思います。
約束の宇奈月駅にはまだ夜の明けきらないうちに到着。
冬至前の短い日照時間を考慮してか、出発は思いのほか早かったと記憶しています。
既に架線は通電していないのか、列車はディーゼル機関車「DD」が動力源。
その前頭にラッセルに備えてロータリーヘッドを連結、次位には線路、橋桁撤去作業のための機材を積み込んだ無蓋車を1両、その後ろにはこれら作業を行うための人員と私たち取材スタッフ2名(雑誌系=私、大手新聞社富山支局員1名)を乗せた客車2両が連結されるというミキスト(客貨混合)。
JR、他私鉄では除雪列車と貨物・旅客列車は通常、分けられて運転されますが、効率を考えてか、それらがミックスされているのがとても興味深く思えました。
▼線路に積もった雪をロータリーの回転で掻き込み2条のダクトから勢いよく跳ね飛ばす(鐘釣駅)
JRでもこのように、例えばラッセルヘッド装着のDD16+客車みたいな編成を仕立てれば、結構、人気が出たりするのですがね…。
スコップやバール(?)その他一連の機材を積み込むと、やがて作業列車は出発、柳橋駅付近でようやく明るくなり始めました。
今回の目的は終着近く、鐘釣〜小屋平間、ウド谷に架かる橋脚とレール、架線等の撤去作業。
雪崩の危険にさらされるための措置です。
折からの大雪のため、駅構内では往路とともに復路をも確保するため、前進と後退を繰り返しつつゆっくり進みます。
とくに寒さによるポイント凍結防止には念を入れておりました。
鐘釣駅構内での除雪を終え、そこからトンネルが連続する中を走り抜けると、緩いカーブを描いた鉄橋を渡りますが、ここが今回の作業現場となるウド谷の出合いです。
▼現場のウド谷出合いに到着。降りしきる雪の中、作業機材を貨車から降ろす
列車は下流側にあるトンネルを少し出たところで停止、作業員が客車から出て、無蓋車から機材を取り出すと、いよいよ鉄橋の撤去が始まります。
列車はいったん、欅平へと回送、そこで機回しをして再びウド谷へ。
鉄橋を渡り、トンネルに突っ込んだカタチで停車しました。
鉄橋を取り払った後では機回しが出来なくなるからでしょう。
列車が戻ってくると、撤去作業は本格化しました。
*黒部峡谷鉄道にて(富山県宇奈月町<現黒部市>)
NikonF5+35mm、50mm、105mm、80〜200mm(RDP3)
2001.12.15撮影
『鉄道ファン』2008.02掲載「冬を迎えた黒部峡谷鉄道」と一部内容重複(了解済み)
五月晴れの越後路を往く「特雪」〜DD14-332新津配給〜
信越山線最後の!?特殊排雪列車 復路編
信越山線最後の!?特殊排雪列車 往路編
2.14の雪60レ〜雪61レ
黒姫駅の名物 二つ
如月・朔日も雪60レでスタート!!
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Posted by 32Count at 18:30│Comments(4)
│除雪列車
この記事へのコメント
32Count様このような特雪あるの知りませんでした。
レイルマガジンでの特雪はJR線や弘南鉄道には書かれているのですが、勉強になりました。
特雪付き客レ面白いですね、手抜き雪原ジオラマ作ってキマロキ編成配置して、PCを繋げれば良いので。
レイアウトの旅の宿・赤ちょうちん 間もなく完成します。
アップしたら報告いたします。
レイルマガジンでの特雪はJR線や弘南鉄道には書かれているのですが、勉強になりました。
特雪付き客レ面白いですね、手抜き雪原ジオラマ作ってキマロキ編成配置して、PCを繋げれば良いので。
レイアウトの旅の宿・赤ちょうちん 間もなく完成します。
アップしたら報告いたします。
Posted by DT33 at 2009年12月24日 12:36
32Countさま
こんにちは。
かわいい除雪列車ですね!!
この写真を見ていたら、弘南鉄道のデキ+キ100のラッセルが見に行きたくなりました。。
狂電関人@会社
こんにちは。
かわいい除雪列車ですね!!
この写真を見ていたら、弘南鉄道のデキ+キ100のラッセルが見に行きたくなりました。。
狂電関人@会社
Posted by 狂電関人@会社 at 2009年12月24日 12:48
DT33さんへ
冬期休業となりますが、北アルプス山中の豪雪地帯故に、冬支度時と春先にはラッセル車が必要なんでしょうね。この日は運良く?、降雪に見舞われ、ミキストにロータリーヘッドが連結されるという編成で、除雪する姿を記録できてラッキーでした。。
雪原ジオラマ、楽しみにしております。ロキの後ろはやはり旧型客車ですか?
狂電関人さんへ
ナローゲージの除雪列車、もしかしたら日本では此処だけかもしれませんね。
国鉄型の除雪車とはふた周りぐらい小ぶりです。
弘南鉄道のデキ1+キ100、私も気になるところです。しかし、青森は遠いのが悩みorz
冬期休業となりますが、北アルプス山中の豪雪地帯故に、冬支度時と春先にはラッセル車が必要なんでしょうね。この日は運良く?、降雪に見舞われ、ミキストにロータリーヘッドが連結されるという編成で、除雪する姿を記録できてラッキーでした。。
雪原ジオラマ、楽しみにしております。ロキの後ろはやはり旧型客車ですか?
狂電関人さんへ
ナローゲージの除雪列車、もしかしたら日本では此処だけかもしれませんね。
国鉄型の除雪車とはふた周りぐらい小ぶりです。
弘南鉄道のデキ1+キ100、私も気になるところです。しかし、青森は遠いのが悩みorz
Posted by 32Count at 2009年12月25日 23:20
良いブログですね♪ココでの出会いもそのうちの1つ^^これも何かの縁だと思って・・これからもまた遊びに来ますので宜しくお願いしま~す☆
Posted by スサン at 2010年03月03日 16:13