2016年02月21日

篠ノ井線に残るスイッチバック信号場 桑ノ原で出発を待つEF64-1032

篠ノ井線に残るスイッチバック信号場 桑ノ原で出発を待つEF64-1032

かって日本の各所に存在した信号場。

単線区間における列車交換や優等列車の待避として設けられ、それがスイッチバック配線だと私の「萌え」が入るのですが、

複線化や路線の付け替え、列車密度の減少によりことごとく消滅してしまいました。
石北本線の常紋信号場、

根室本線の狩勝信号場、

関西本線の中在家信号場。

いずれも蒸気機関車時代における名撮影地として、今も語り継がれていますが、残念なことに蒸機時代はまだ小さ過ぎて現場に立つことはできず、

唯一、フォトストックに残っているのが常紋信号場でキハ40形同士の交換を捉えることができました。

いっぽう、長野県内に目を移してみると、これがまたスイッチバック信号場の宝庫でありました。

篠ノ井線では上り方から順に潮沢、羽尾、桑ノ原の3箇所、中央東線は東塩尻の1箇所…。

しかし、潮沢と東塩尻は新線開通で、羽尾は列車の高速化と姨捨駅から近い距離にあったことから廃止され、

現存するのは桑ノ原のみとなりました。

こちらは姨捨〜稲荷山間約9kmのほぼ中間に位置する信号場として、1時間間隔に運転される上下の特急と、その合間を縫って走る普通列車、そして日に3往復運転されている貨物列車、

さらに長総へ入出場する列車などなど、

比較的列車密度が高いことから、列車交換設備の役割を着実に果たしており、しばらくは健在のように思えます。

スイッチバックの魅力はなんと言ってもその配線の複雑さ。

構内での列車交換ができる姨捨駅に比べると、シンプルな印象を持ちますが、それでも分岐する引き込み線と折り返し線が本線とダイヤモンドクロスするあたり、

スイッチバック好きにはたまりません♪

前回アップの善光寺平バックに捉えたロクヨンの1032号機、

実は桑ノ原信号場で下り列車の交換と上り列車の待避で長時間停車をするので、国鉄型電気機関車がスイッチバック信号場に佇んでいる姿をスナップしました。

画面右から手前にカーブしてくる方向が、稲荷山方になり、

線路の延長線上に長野道と北陸新幹線の千曲川橋梁が並行して走っているのが霞んで見えます。

桑ノ原を通過する列車はそのままスルーして通過していきますが、桑ノ原へ入線する列車は本線から向かって右に分岐する折り返し線に入ったあと、所定位置でいったん停車。

そののち、バックで折り返し線から分岐する引き込み線に向かって本線をダイヤモンドクロスで渡って入っていきます。

本線へと入る際は左端の線路を通っていきます。

その運転形態のイレギュラーなところも、構内配線の複雑さとともに遠くなりつつある「昭和」を感じることができます。


*篠ノ井線・桑ノ原信号場にて(千曲市、踏切の開いた状態で撮影)
NikonD810+80〜200mm
2016.2.20撮影


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この記事へのコメント
桑ノ原信の位置は保線の方に教えて頂きました、
最初は此処よりもっと上の駐車帯の有る神社脇で64重連を撮影して居まして、その時に保線作業の方が「ここを曲がって・・・」と

スイッチバックに入る列車が来る時は分岐器の動きから目が離せません

桑ノ原から平地を眺めると「高い場所だな」と思います
Posted by DT33DT33 at 2016年02月21日 13:32
DT33さんへ
桑ノ原信号場、
意外と分かりづらい場所にありますよね。
毎度、国道からの脇道を間違えてしまったりします(汗)。
上り方は高速道路が出来て、景観がガラリと変わりましたが、下り方は昔のままの雰囲気が◎です。
姨捨からだとずいぶん、下って来たと思う反面、稲荷山からだとずいぶんと登ってきたなぁ〜、なんて思います。
稲荷山駅の標高が358mに対し、桑ノ原の標高が458m、さらに姨捨駅が551m、冠着駅が676m…。
まさに山岳路線ですね。
Posted by 32Count32Count at 2016年02月22日 04:17
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