2009年08月10日

花の本白根山

▼コマクサ群落地から火口跡と本白根山を望む。右のピークが遊歩道最高到達点の2150m
花の本白根山

昨日の日曜、気軽に登ることのできる「深田百名山」のひとつ、草津白根山に登ってきました。

一口に草津白根山といっても、火口に湯釜を抱く草津白根山と山頂近くまで豊かな森に覆われる本白根山とがあります。

残念ながらどちらも最高所の三角点へは有毒ガス発生地帯であるため、立ち入ることができません。
ならばより静かな山歩きが比較的長くできる本白根山を選択。

湯釜巡りの観光客の喧噪をよそに白根火山駐車場を後に山頂を目指します。

到着時、やや強い雨も降っていましたが、出発時の10時頃には止んでくれ、ガスの切れ間には時々草津白根山の姿を垣間みることができました。

逢ノ峰への登山道は整備中とのことで立ち入ることはできず、山腹を巻く車道を辿ると、ほどなく白根火山ゴンドラリフトからの道と合流、ここからは本格的な山道に変ります。

登山道は本白根山をぐるり周回していて、同じ道をピストンせずに歩くことができます。

なんとはなしに反時計回りで辿ることにしました。

花の本白根山

歩いて間もなく出合ったのが↑の花、高原に秋の兆しを報せるヤナギランでした。

スキー場のゲレンデから森の中に入ると、この山旅唯一の登りらしい山道に変ったものの、ほどなくするとその登りも緩やかになり、視界がパッと開け、表題の写真の景色が展開しました。

花の本白根山

火山の噴出物によるものか、足下には砂礫地が広がり、そこにはなんとおびただしい数のコマクサがありました。

登山地図にはその表記があって予備知識はあったものの、想像以上の群落にはただびっくり。

全般的に赤みが強いというのが第一印象で、盛りのピークはやや過ぎた感があり、特徴ある馬の顔にもなぞられる花弁は崩れかけた株が多かったのですが、その中で馴染みのあるピンク色の、かくしゃくとした株を見つけることができ、↑の写真を撮ることができました。

北アルプスでは森林限界となる標高2500m以上の稜線に咲く高山植物の女王ですが、ほぼ同じ緯度帯に位置しながら、比較的標高の低いこの地にこれだけの群落を形成するのは珍しいのでしょうね。

歩き出して1時間足らずでコマクサに出合えるなんて、ありがたい反面、なんだかもったいないような、そんな複雑な心境がよぎりました。

この他にも桔梗に似たヒメシャジンや↓
花の本白根山



黄色のコキンレイカ↓や
花の本白根山



はたまたもう葉が紅く色づき始めたナナカマド↓も
花の本白根山

見ることができました。

天候は不安定で時々雨がポツリと来たり、霧が去来するなど、眺望には恵まれなかったのはなんとも残念でしたが、それ以上に花が多くって、天気の不順を補ってくれました。

遊歩道最高到達点の標高2150m地点でのランチタイム休憩を含めて僅か4時間ほど、多少汗ばむ程度でしたが、なかなかどうして変化ある山旅を楽しむことができました。

これで深田久弥著『日本百名山』に収められた山はようやく1/3を超えました。

下山後は万座温泉に立ち寄ってph値2.4という強酸性の硫黄泉でゆったり疲れを癒して高山村経由で帰途につきました。


*本白根山にて(群馬県草津町)
Lumix
2009.8.9撮影





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Posted by 32Count at 22:47│Comments(2)山とスキー
この記事へのコメント
コマクサのシーズンに行ったことが無いので
ぜひとも行きたいと思っています。
でもすごく混むのでしょうか?

万座温泉、私もすごく好きで
何度か入浴に行っている宿があるのですが、
こちらからですと草津回りだとちょっと遠く、
軽井沢からだと有料道路が高くて、
中々行けません。
それに最近不祥事もあったようで、足が遠のきますね。
Posted by sakusaku at 2009年08月11日 08:42
sakusakuさんへ
東信の三方ヶ峰とともに短いアプローチでコマクサの群落が見られるポイントですね。場所柄、団体ツアーが多いようでしたが、それほどの混雑はありませんでしたよ。あと2週間、早ければピークだったのですけれども…。
万座温泉、信州にはあるようでなかなかない、白濁した強酸性のお湯が気持ち良かったです。日帰り入浴の料金が首都圏価格でしたが…。
Posted by 32Count32Count at 2009年08月11日 12:54
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