2012年01月19日

一輪の河津桜

一輪の河津桜

2005年は私にとって思い出深い年でした。

仕事としては一年間に及ぶ全国温泉行脚、プライベートでは仲間や友人、そして父親との死別…。

あれからまる7年も経つなんて、年月はまさに矢のごとく流れますね。
1月18日、伊豆は下賀茂温泉のとある宿を撮影中でした。

前日からこの宿に入り、浴室のすべてと客室、館内設備、夕食など、昼一番くらいから夜遅くまで、
ほとんど休むことのない撮影は、張り合いがある反面、忙しくもありました。

この頃から出版業界もデジタル化が進んで、部屋にノートPCを持ち込んで、撮ったばかりの画像を見て、編集側からはああだ、こうだのダメだしとそれに対抗してこちら側からの提案バトル。

翌日は翌日で朝から食事風景の撮影。

その合間に宿のご厚意で用意してくれた一輪の河津桜を部屋の窓際に置いてひと足早い春の演出。

陽射したっぷりの中、川を借景によく映えてくれお気に入りの一枚となりました。

お昼前、ようやく一連の撮影が終わり、弓ケ浜付近の海岸線を撮ったのち、帰途に向いました。

国道414号線天城峠を越えて、修善寺を経て国道136号線を経由で沼津へ。

この時、長野の自宅ではなく埼玉の実家へと向いました。

理由はひとつ。

癌で闘病生活を送る父への見舞いと新しい仕事を無事1クールを終えたことの報告。

沼津インターから厚木インターまでは順調。

ところが、下道に降りた途端、まさかの渋滞。

橋本までの僅かな距離を、沼津からの時間以上に掛かる始末。

八王子からは幾分空いたものの、埼玉に入る頃には20時をとうに回っていて、これからは見舞いに行くにははばかれる時間帯に。

「まっ、明日、行けばいいか」

そんな軽い結論があとで後悔をするハメにicon15

その夜、といっても日が変って19日未明、病院から電話が…。

父の容態が悪化したからすぐ来るように、との内容。

妹家族や弟家族にその旨を伝えて、母を連れて病院に急行したものの、父とはは面会できず。

胸騒ぎのする時間を過ごした後、主治医に呼ばれ病室に…。

父はすでに息を引き取っていました。

嗚呼、なんということか!

明日があるからと思ったのに、明日が無かったなんて…。

無理してでも面会に行けば良かったと思っても後の祭り。

ひとつ救われたのは、父の臨終直後を母や妹、弟と立ち会えたことでしょうか。

旅先でこれを聞くにはショックが大きいかと…。

あれからまる7年。

3年前には母も亡くし、文字通り親から独立せざるを得ない私がいます。

今日は父の命日、父のことを偲びつつ、自分に叱咤激励するのでした。

奇しくも河津桜は、生前父母がこの桜を見に熟年二人旅(一説には弥次喜多旅)をしています。


*下賀茂温泉にて(静岡県南伊豆町)
NikonD100+28〜70mm
2005.1.18撮影


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Posted by 32Count at 20:00│Comments(2)花暦
この記事へのコメント
32Countさま

1月19日がお父様の命日なんですね。

私も昨年の2月に父を亡くしました。来週末は一周忌で
郷里に帰ります。

永久の別れの日には雪が降っていて、北国出身の父を
思い出すのは雪になりそうです。
Posted by 狂電関人 at 2012年01月20日 07:22
狂電関人さんへ
早いもので丸7年経ちました。
電閑人さんもご尊父を昨年亡くされて、いろいろと大変でしたね。
久しぶりの故郷、たっぷり懐かしんで来て下さい。
Posted by 32Count32Count at 2012年01月21日 17:52
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