2007年12月23日
五竜岳@大糸線・信濃森上〜白馬大池

この冬は順調に寒気が下りてきているようで、例年よりも早めに降雪があり、スキー場も続々とオープンしています。
この三連休、ゲレンデでの賑わいを期待したいところです。
ところで、かつてJRに「シュプール号」というスキー専用列車があったのをご存知でしょうか?
長野県とその周辺には、白馬山麓、志賀高原、野沢温泉、斑尾、妙高…、という具合に日本でも有数のビッグネームのゲレンデが目白押しなのに加え、首都圏、中京圏、京阪神圏からも比較的近く、シーズンともなると、三大都市圏を始発とするシュプール号が数多く設定されていました。
これらの列車の特徴としては、都会を夜に出て、早朝ゲレンデの最寄り駅に到着するダイヤが組まれていていたのですが、使われる車両は、波動用ということで種々雑多に及んでいたということです。
当時、全盛をきわめさまざまな趣向がなされた「ジョイフルトレイン」、はたまた第一線を退いたひと世代前の車両といった具合に、趣味的にはとても魅力あるラインナップでした。
殊に関西から白馬山麓に向かうシュプール号は人気がありました。
おそらく、自社線のJR西日本線内をなるべく長く走らせようということがあったのかも知れませんが、北陸本線経由で糸魚川から大糸線に入って白馬山麓へと向かってくれ、ファンにとってはこの上ない冬のビッグプレゼントだったのです。
大糸線の糸魚川〜南小谷間は非電化区間なので、電車を走らせることはできず、いきおい客車列車や気動車が使われていました。

客車列車には、昭和33年の登場当時「走るホテル」とも言われ、ブルートレインブームの立役者となった20系客車が最後の活躍をしていたし、気動車はキハ181系という国鉄型ならではの重厚な面構えと風景に映える暖色系の特急色を纏って走っていました。
おもに週末に運転され、天気図で晴天が予想される時などは、早寝をして翌日に備えたものです。
とくに信濃森上〜白馬大池間では北アルプスを正面に捉えることができるとあって、何度ともなく通いました。
標題の写真はキハ181系による「シュプール白馬・栂池号」が糸魚川に回送される模様を撮影しました。
信濃森上から白馬大池寄りにあるアウトカーブの築堤下からややアオリ気味に、長焦点のレンズで撮っていますので、列車の背に五竜岳を配すことできました。
五竜岳は鹿島槍ヶ岳、白馬岳とともに後立山連峰の盟主として君臨する山で、標高は2814m。
どっしりとした山容にいくつものルンゼを刻んだ岩峰と、春先、雪形として現れる「武田菱」が印象的です。
いっぽう、下の写真は20系客車によるシュプール号です。
白馬〜信濃森上間で捉え、五竜岳の左隣りに鹿島槍ヶ岳が連ねっています。
白帯は3本から2本に減っていますが、ブルーの丸みを帯びたフォルムに往年の面影が垣間みることができます。
かつては九州行きのブルートレインに活躍していましたが、晩年は大糸線のようなローカル線にも入ってきていました。
撮影は94年3月ですが、これ以降、大糸線では見かけることはありませんでした。
尤もシュプール号自体も、スキーツアーバスの台頭とマイカー利用の普及、さらにはスキーヤー自体の減少で、大糸線でのシュプール号は2003年に終了、関西から信越本線の黒姫駅まで運転されていたシュプール号も2005年度をもって終了に至りました。
冬ならではの華やかさが消えてしまい、一抹の寂しさがありますが、これも時代の趨勢なんでしょうね。
冬本番に向かうクリスマスイブイブの日曜の朝、ストックポジをスキャンして、かつてを想いブログにアップしてみました。
*大糸線・白馬〜信濃森上〜白馬大池間にて(北安曇郡白馬村)
写真は上から
●キハ181系による「シュプール白馬栂池号」(98年3月18日撮影)
●20系客車による「シュプール白馬栂池号」(94年3月撮影)
これらの列車の特徴としては、都会を夜に出て、早朝ゲレンデの最寄り駅に到着するダイヤが組まれていていたのですが、使われる車両は、波動用ということで種々雑多に及んでいたということです。
当時、全盛をきわめさまざまな趣向がなされた「ジョイフルトレイン」、はたまた第一線を退いたひと世代前の車両といった具合に、趣味的にはとても魅力あるラインナップでした。
殊に関西から白馬山麓に向かうシュプール号は人気がありました。
おそらく、自社線のJR西日本線内をなるべく長く走らせようということがあったのかも知れませんが、北陸本線経由で糸魚川から大糸線に入って白馬山麓へと向かってくれ、ファンにとってはこの上ない冬のビッグプレゼントだったのです。
大糸線の糸魚川〜南小谷間は非電化区間なので、電車を走らせることはできず、いきおい客車列車や気動車が使われていました。

客車列車には、昭和33年の登場当時「走るホテル」とも言われ、ブルートレインブームの立役者となった20系客車が最後の活躍をしていたし、気動車はキハ181系という国鉄型ならではの重厚な面構えと風景に映える暖色系の特急色を纏って走っていました。
おもに週末に運転され、天気図で晴天が予想される時などは、早寝をして翌日に備えたものです。
とくに信濃森上〜白馬大池間では北アルプスを正面に捉えることができるとあって、何度ともなく通いました。
標題の写真はキハ181系による「シュプール白馬・栂池号」が糸魚川に回送される模様を撮影しました。
信濃森上から白馬大池寄りにあるアウトカーブの築堤下からややアオリ気味に、長焦点のレンズで撮っていますので、列車の背に五竜岳を配すことできました。
五竜岳は鹿島槍ヶ岳、白馬岳とともに後立山連峰の盟主として君臨する山で、標高は2814m。
どっしりとした山容にいくつものルンゼを刻んだ岩峰と、春先、雪形として現れる「武田菱」が印象的です。
いっぽう、下の写真は20系客車によるシュプール号です。
白馬〜信濃森上間で捉え、五竜岳の左隣りに鹿島槍ヶ岳が連ねっています。
白帯は3本から2本に減っていますが、ブルーの丸みを帯びたフォルムに往年の面影が垣間みることができます。
かつては九州行きのブルートレインに活躍していましたが、晩年は大糸線のようなローカル線にも入ってきていました。
撮影は94年3月ですが、これ以降、大糸線では見かけることはありませんでした。
尤もシュプール号自体も、スキーツアーバスの台頭とマイカー利用の普及、さらにはスキーヤー自体の減少で、大糸線でのシュプール号は2003年に終了、関西から信越本線の黒姫駅まで運転されていたシュプール号も2005年度をもって終了に至りました。
冬ならではの華やかさが消えてしまい、一抹の寂しさがありますが、これも時代の趨勢なんでしょうね。
冬本番に向かうクリスマスイブイブの日曜の朝、ストックポジをスキャンして、かつてを想いブログにアップしてみました。
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●キハ181系による「シュプール白馬栂池号」(98年3月18日撮影)
●20系客車による「シュプール白馬栂池号」(94年3月撮影)
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Posted by 32Count at 10:35│Comments(4)
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この記事へのコメント
特急色のカラーリングとバックの雪山がピッタリですね。 最近はかつての特急車両もいろいろな色に塗られちょっと寂しいです。。
Posted by フランソワーズ
at 2007年12月23日 10:47

北陸線をすっ飛ばしてくるって想像するだけでわくわくしましたキハ181。千国駅で381系と交換していたんですよね。
往年の並びの再現で興奮しました。
撮影はフィルムが送られず大失敗。
往年の並びの再現で興奮しました。
撮影はフィルムが送られず大失敗。
Posted by もり at 2007年12月24日 12:57
キハ181と20系客車という旧国鉄を代表するスターたちの大糸線乗り入れは、当時雑誌などを見るにつけ撮りに行きたい!!と思いつつも結局行けずじまい・・・。
中でも、32Countさんの181の写真は大好きです。かつてデビュー間もない同形式が特急しなのに投入され信州を走っていて、そんな時代を思い出させてくれる写真です。
キハ181は長野の山々をバックにした写真が一番似合うと私は思います。
中でも、32Countさんの181の写真は大好きです。かつてデビュー間もない同形式が特急しなのに投入され信州を走っていて、そんな時代を思い出させてくれる写真です。
キハ181は長野の山々をバックにした写真が一番似合うと私は思います。
Posted by 狂電関人 at 2007年12月29日 09:44
レスが遅くなりました。
フランソワーズさんへ
国鉄全盛時代のカラーリングは、時代が変われど斬新で、なによりも日本の風景にほどよく溶け込んでいますね。最近の鉄道車両はステンレス製の車両が幅をきかせてきて、華やかさが無くなってきましたね。
もりさんへ
千国駅で交換していたのですね〜。
キハ181と381系はまさに篠ノ井線電化の折り、見られた新旧交替が蘇ったのでしょうね。
その千国駅でも交換設備が撤去されて、寂しくなりました。
このキハ181系は大糸線内のみでの撮影に終始しましたが、複線電化区間をかっ飛ばしてくる姿は迫力があったでしょうね。
狂電関人さんへ
ありがとうございます。
実はこの五竜岳バックのキハ181系、私のライフワークの中でも、代表作といえる写真です。
「某」趣味誌では見開きで採用されています。
雪のアルプスに、国鉄色キハ181はホントよく映えます。
このアングルでもう1度、国鉄色車両を撮りたい!
フランソワーズさんへ
国鉄全盛時代のカラーリングは、時代が変われど斬新で、なによりも日本の風景にほどよく溶け込んでいますね。最近の鉄道車両はステンレス製の車両が幅をきかせてきて、華やかさが無くなってきましたね。
もりさんへ
千国駅で交換していたのですね〜。
キハ181と381系はまさに篠ノ井線電化の折り、見られた新旧交替が蘇ったのでしょうね。
その千国駅でも交換設備が撤去されて、寂しくなりました。
このキハ181系は大糸線内のみでの撮影に終始しましたが、複線電化区間をかっ飛ばしてくる姿は迫力があったでしょうね。
狂電関人さんへ
ありがとうございます。
実はこの五竜岳バックのキハ181系、私のライフワークの中でも、代表作といえる写真です。
「某」趣味誌では見開きで採用されています。
雪のアルプスに、国鉄色キハ181はホントよく映えます。
このアングルでもう1度、国鉄色車両を撮りたい!
Posted by 32Count
at 2007年12月31日 09:43
