2010年10月05日

賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

▼大船渡線沿いに白い偉容が聳える東北砕石工場。手前のレールが専用線の廃線跡
賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

9/12の夜は雨の東北道を北上、一ノ関にて岩手県入りを果たしました。

まずは大船渡線周辺を巡ることに…。

政治的思惑により大正年間、北に大きく迂回して建設され、その線形から俗に「鍋弦線」とも言われる部分の西寄りの膨らんだ所に陸中松川駅があります。
▼腕木式信号と転轍機をオブジェ化して案内標識にした東北砕石工場
賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

一見すると、なんも変哲もないように思える小さな駅ですが、じつは岩手県が生んだ詩人にして童話作家の宮沢賢治ゆかりの地だったりします。

晩年、土壌改良の見地から石灰の普及に東奔西走するのですが、それがこの駅からほど近い「東北砕石工場」に技師として働いていた時のことでした。

▼東北砕石工場時代の賢治の有名な写真をリアルに再現した人形。後列右から4番目が賢治
賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

東北砕石工場を始め、賢治の活動や業績を展示した「太陽と風の家」「双思堂文庫」などが点在し、町全体が「石と賢治のミュージアム」として宮沢賢治の足跡を辿ることができるようになっていると思います。

そんな賢治が駅と工場を往復し、周辺を散策したであろう陸中松川界隈を走りたくなりました。

▼大船渡線の本線と並行してトロッコレールが再現されている
賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

撮影がひと段落して、薄暮の時間帯まで少し時間もあったことも後押しされました。

コースは、

陸中松川駅ー県道282号を南下ー砂鉄川を渡りー同川左岸を北上ー猊鼻渓駅ー県道19号を西へー陸中松川駅

という約10kmを設定。

果たして賢治の有名な詩「雨ニモ負ケズ」で表された「デクノボー」、つまり、「ホメラレモセズ、クニモサレナイ」目立たない人(ここが賢治デクノボーの道案内板より)の心境に近づけるか!?

▼宵闇迫る砂鉄川の川面を望む。その名の通り鉄を産出したのでしょうか?
賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

雨上がりで周囲の山々にはまだ低い雲がかかっていたものの、西の空は夕焼けが出始めていました。

線路沿いの道を下るとやがて砂鉄川に架かる橋に導かれます。

賢治ゆかりの地・陸中松川をラン

周辺は今もなお石灰の採掘が行われているようで、いくつもの石灰精製のプラントを目にしました。

鉄道貨物全盛の頃は陸中松川駅からホッパー車が発着していたのでしょうね。

道はほぼ平坦で走りやすく、岩手県南で気持ちのいい汗をかくことができました。

賢治が見たであろう山や川を見ながら走れたのは満足でしたが、「雨ニモ負ケズ」の「デクノボー」の心境にはまだまだほど遠かったかな!?


*陸中松川にて(岩手県一関市東山町)
NikonD700、Lumix
2010.9.13ランニング実施








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Posted by 32Count at 07:00│Comments(4)旅ラン
この記事へのコメント
32Countさま

私もゆっくり宮沢賢治ゆかりの地をカメラ提げて
散策したいです。
特に銀河鉄道のアーチ橋はぜひ・・・。
Posted by 狂電関人 at 2010年10月05日 07:30
狂電関人さんへ
久しぶりの岩手でしたが、信州とはまた違った良さを体感してきました。
陸前松川、撮影の間に間に寄ったのですが、すっかりハマってしまいました。
釜石線のめがね橋、もちろん訪ねてきました。
後日アップしますね。
Posted by 32Count32Count at 2010年10月05日 08:20
トロッコ用のヘロヘロレールは何故心惹かれるのか、車輌は来ない再現レールなのでしょうが、つい待ちそうです。
長野駅と善光寺の間にナローゲージ鉄道を敷設して観光客を誘致するとか出来ないかとついつい妄想をしました。機関車牽引のPC編成なぞ楽しかろうと。
Posted by DT33 at 2010年10月06日 13:22
DT33さんへ
撮影した反対側にはトロッコの貨車が置いてあり、もしかしたら手押しで遊ぶことができるのかも…。
なかなか鉄分濃い宮沢賢治ゆかりの地でしたよ。
長野に路面電車を、そんな記事を以前何かで読んだ記憶がありますが、確かに中央通りをカタコト走ったら、絵になるかもしれませんね。
富山や高岡などを訪れると、路面電車が走っていて羨ましくもあります。
Posted by 32Count32Count at 2010年10月07日 23:37
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