2009年03月13日

さよなら、富士・はやぶさ

さよなら、富士・はやぶさ

今宵、ひとつの歴史に幕が引かれます。

ブルートレインの愛称で親しまれた長距離夜行列車「富士」「はやぶさ」が今晩の出発で最終列車となります。
東京駅発着の九州行きブルートレイン。

まさにブルトレの元祖ともいうべき由緒正しき列車。

列車番号も1列車、2列車を与えられていました。

往事は「さくら」「はやぶさ」「みずほ」「富士」「あさかぜ」「出雲」「瀬戸」「紀伊」の各列車が設定されており、一部を除いては単独で長崎、佐世保、西鹿児島、熊本、博多、浜田、宇野、紀伊勝浦と、九州ばかりでなく、山陰、四国連絡、紀伊半島へとブルトレ網を張り巡らせいました。

新幹線のスピードアップや航空機利用の増加、格安な夜行バスに押されて、櫛の歯が抜けるように便数を減らしていき、そして最後に残ったのが大分・熊本行きの「富士・はやぶさ」でした。

その最後の勇姿を記録しようと、埼玉の実家から長野までの帰り道は静岡県の三島経由の大回りルートを採った次第です。

撮影に赴く11日は天気図を見ると冬型の気圧配置。

これだと富士山が見える確率が高いので、ラストショットは富士山バックのお立ち台ポイント・函南〜三島間の、通称「竹倉」のポイントから狙う算段でした。

国道1号線・箱根峠で富嶽の姿を確認、イメージ通りのカットがここまでは「撮れる!」と確信していました。

ところが…。

意外にも上空には雲が垂れ込め日射しは恵まれません。

現場に到着すると富士山は見えてはいるのですが、高曇りの状態で山に表情がありません。

富士山を画面に入れるかどうしようか、考えあぐねましたが、結局、列車アップのアングルで構図を決めました。

8時24分頃、竹倉の踏切の警報機が列車の接近を報せ、やがて、カーブからEF66-46牽引の「富士・はやぶさ」が姿を現しました。

重厚な機関車のモーター音に対し軽やかな客車のジョイント音。

その対比を楽しむ間もなく、「青い騎士」は目の前を通過していきました。

これが私の東海道筋でのブルトレのラストショット。

撮影が1日ずれて、12日だったら富士山をバックに撮影できたのですが…。


*東海道本線・函南〜三島(静岡県三島市)
NikonD200+VR18〜200mm
2009.3.11撮影





同じカテゴリー(鉄道風景・関東東海)の記事画像
冬陽がもたらしてくれた影絵
同じカテゴリー(鉄道風景・関東東海)の記事
 冬陽がもたらしてくれた影絵 (2020-02-23 21:15)
 東海道本線の山岳区間に挑む185系<踊り子> (2019-12-22 22:00)
 あじさい咲く宮ノ下駅から80‰に挑むサンナナ (2019-07-11 12:00)
 箱根登山鉄道サンナナをあじさいとともに (2019-06-29 22:15)
 熊野灘を見晴らす荷坂峠を登る (2018-12-19 12:00)
 光芒射す宮川橋梁を渡るキハ25 (2018-12-18 12:00)

この記事へのコメント
32Countさま

東海道へ出撃されたのですね!
「竹倉」の富士山バック残念でしたね。
私は、テレビのニュースでお別れしました!
Posted by 狂電関人 at 2009年03月14日 11:01
狂電関人さんへ
ホント、富士山とは1日違いでした。
まぁ、それども最後のお見送りをできたのは良かったのかな!?
最後はTBSラジオ「土曜ワイド」の番組内でのラッキィ池田さんの現場レポートでした。六郷川橋梁を渡る時、「ポォ〜」という汽笛一声と機関車のモーター音、客車の軽いジョイント音…。姿が見えないだけに想像力が膨らんで勝手に感動に浸っていました。
Posted by 32Count32Count at 2009年03月14日 13:11
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。