みすず刈る信濃の撮ってお記

15日で満60歳、還暦となりました。

自分へのご褒美として期せずし実現したC57-180が門鉄デフをモチーフにすることは、

九州をルーツに持つひとりとしてそのあたりに意義を見出し磐越路へと遠征した次第です。

当日は天気は快晴、気持ちのいい巻雲も出現したのに加え、

冠雪した飯豊連峰や磐梯山など周辺の山並みも良く見えていたので、これらを主題に加える形での絵作りとなりました。

なによりも翼を広げたような｢門デフ｣を強調できるアングルにこだわりつつも｢密｣を避けてのマイナーアングルが多くなりましたが、

本意を遂げられたでしょうか。

細身のボイラーに装着された門鉄デフ、

青空や白雲を背景に抜くことができ、急客機のオーラを記録することができました


門鉄デフを初見したのは今から遡ること48年前の真夏、

法事で佐賀・多久市へと里帰りした際、当時は現役だった9600形蒸気機関車がこのデフを装着していて、とくに19634は何度となく目にしました。

ボイラー径の太い9600形にあってとてもスタイリッシュにさせる除煙板だと幼心にも分かるインパクトでした。

このあたりが鉄道趣味の原点であり還暦を迎えた当日に撮影できるのはなにかのご縁か!?

我が半生を振り返るにはじゅうぶんでした。


思えば20年前の同日、情報誌編集部でエアロビで使われるユーロビートを流しながら編集作業をしていました。

それから会社を辞め再びフリーランスの道を歩み出し、全国の温泉行脚や山と鉄道のある風景を求め歩く一方、

両親は他界し、自身も痛風や網膜剥離に代表される病に患い、

世の中はリーマンショックに、東日本大震災、そして昨今のコロナ禍…。

既に次の20年へと向かって歩み始めていますが、複雑に変化する世情をどう生き抜いていくか、

簡単なようで難しい選択を日々強いられそうです。

この日の青空のように我が道を明快に指し示してくれると良いのですが…。


＊磐越西線・五泉〜猿和田、笈川〜堂島、喜多方〜山都
NikonD810+VR24〜120mm（C-PLフィルター使用）
2020.11.15撮影


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