西武鉄道、貨物列車の想い出

32Count

2009年08月14日 09:15

▼スイス生まれのE51による2704レ。スタイリッシュなフォルムで一番好きな機関車でした


前々回アップした安比奈線に関連性はとくにないのですが、なぜか懐かしくなったので貨物列車全盛時の西武鉄道のネタをおひとつ。

25年ほど前、大手私鉄としては東武鉄道などとともに貨物の輸送量を誇った西武鉄道。

おもに秩父で採掘された石灰石とその加工製品を輸送するため、横瀬〜吾野〜高麗川〜新秋津の秩父・池袋線で実に9往復もの貨物列車が設定されていました(1976年当時の「鉄道ダイヤ情報」による)。
重量列車には当時私鉄最強と言われたF級のE851が担っていましたが、比較的荷の軽い列車には大正年間に輸入され国鉄から払い下げられた旧型の電気機関車が運用に就いていました。

E51(E52)、E61、E71。

E51は国鉄時代、ED12の形式が与えられました。

1923年、スイスのブラウン・ボベリ製で、デッキまで延びた長い庇と屋根上の大きなエアタンク、直径1400mmの蒸気機関車並みの動輪が外観上の特徴です。

E61は国鉄時代、ED11の形式で、1923年アメリカのゼネラル・エレクトリック製。

角張った外観が特徴的です。

E71は国鉄時代はED10の形式番号が与えられ、1922年アメリカのウェスティングハウスとボールドウィンの合作で、E61とは対照的に丸みのあるボディーと側面中央にある乗務員扉が外観上の特徴でしょうか。

▼E71による2705レ。12時30分過ぎ、輸入電機による競演が繰り広げられていました


この3両が、小川〜所沢〜横瀬〜新秋津〜所沢〜小川という2つの運用をこなしていました。

過去のダイヤを見ると所々で長時間停車があり、今なら確実に追っかけをするところでしたが、当時はそこまで気が回らなかったのか、ほぼある一箇所で撮っていたようです。

武蔵藤沢付近で上下列車がすれ違うことから、効率性を考えたようで、この界隈で多く撮影しています。

飯能寄りには茶畑が広がり、武蔵野らしいとてものどかな景色の中で捉えられるというのも惹かれたのでしょう。

101系急行電車や5000系レッドアローが行き交う中、のんびりと走る貨物列車が健在だったことを昨日のことのように思えますが、あれからもう四半世紀…。

今では4扉の2000系や地下鉄乗り入れの6000系、「スマイルトレイン」30000系に新レッドアロー号10000系、さらには東京メトロから乗り入れてきて渋谷へと直行する10000系と、ずいぶん様変わりしました。

世の中はどんどん変っていきます。


*西武池袋線・武蔵藤沢〜稲荷山公園(埼玉県入間市)
NikonFM2?
1983年頃?





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