西武山口線の思い出
鉄道アーカイブネタ(!?)シリーズも一応、このあたりでひと区切り。
当時、住んでいた小平からほど近い西武鉄道山口線のコッペル蒸気機関車です。
今でこそ多摩湖線と狭山線を結ぶ新交通システムの鉄道として、行楽ばかりでなく通勤・通学の足として利用されていますが、今から四半世紀前までは、軽便鉄道の風情を色濃く残した鉄道だったのです。
多摩湖線・多摩湖駅(現西武遊園地前)にほど近い遊園地前駅から狭山線・狭山湖駅(現西武球場前)にほど近いユネスコ村駅までの全長3.6Kmの路線の特徴は、
線路幅は762mmのナローゲージ、
全線タブレット通票による閉塞方式、
信号は機械式の腕木式、
全列車客車列車で、運用の約半数が蒸気機関車牽引、
客車はダブルルーフの木造客車。
加えて急勾配あり、急曲線あり、トンネルあり、橋梁ありと、軽便鉄道を際立たせてくれるアイテムも目白押しでした。
自宅からは電車で20分、自転車で40分ほどで、今、思うと夢のようなロケーションだったのですが、小中学生頃の時分ではそこまで深くこの鉄道を理解していなかったようです。
SLのお目見えは1972年(昭和47)のこと、ちょうど鉄道百周年という年にあたりその記念としてSLを走らせたと記憶しています。
白羽がたったのがその前年、廃止となった頸城鉄道所有のコッペル2号でした。
この機関車のことは
「コッペル2号との再会」で触れていますのでご参考のほどを。
この写真は写っているネガの他のカットから類推すると登場した翌年の1973年の春でしょうか。
上の写真はユネスコ村駅での機回し風景、下は遊園地前駅を出発するシーンです。
いずれも写真が散逸してしまい、何処へ紛れ込んでいるか分からなかったところ、幸いにもカラーネガはファイリングされていたので、往事を偲ぶことができました。
カートリッジ式フィルムとハーフサイズのコンパクトカメラで写した、とくに特徴のない駅撮り写真ですが、私にとって、現役時代のコッペル2号を写し込んだ「お宝」写真となりました。
*西武山口線・ユネスコ村駅、遊園地前駅にて(埼玉県所沢市)
使用カメラは不明
1973年3月撮影
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