2007年11月03日

川面に映える鉄橋、只見線

川面に映える鉄橋、只見線
♪今は鉄橋、渡るぞと〜、とは唱歌の一節ですが、汽車旅で鉄橋を渡る瞬間はなにかワクワクするものがあります。

「ガタン、ガタン」

レールのジョイント音が橋脚の鉄板を介して、あたりにこだまします。

視界が開けて、美しい渓谷や川面を見渡せます。
川面に映える鉄橋、只見線
このブログで何度か登場しているJR只見線

会津若松から小出までの135.2Kmの間には数多くの鉄橋が存在します。

福島県側では只見川を登りつめ、六十里越えした後は末沢川、破間川を下っていきます。

とくに只見川に沿って走る会津柳津〜只見間は、本流の只見川を合計8回も渡ります。

鉄橋の形状はアーチ橋あり、トラス橋あり、上部アーチ橋ありという具合にバリエーションに富んでいます。

電源開発として各所で川をせき止められ、ところによってはエメラルドグリーンの水が湖のように広がります。

そんな鉄橋を渡る列車は一幅の絵画を見るようです。

川面に映える鉄橋、只見線
秋たけなわの11月3日〜4日の両日、会津若松〜只見で蒸気機関車が運転されています。

SLはC11-325というもの。

おもに支線の客車列車、貨物列車をけん引するために造られました。

かつてはこの只見線でも走っていましたが、昭和47年にレールを去っています。

数年前から観光用にと、年に数回ほど、再び沿線で煙が見られ、汽笛が聞かれるようになりました。

SLは通常、栃木県の真岡鐵道という3セクの鉄道会社が保有しているものがレンタルされます。

今月の本運転に先駆けて10月30日〜11月1日まで試運転が行なわれ、その一日をSL撮影に充てることができました。

ほぼ毎年、秋にSLが運転されるのですが、紅葉のピークと重なるのは恐らく初めて!?

なので沿線には平日にもかかわらず、多くのファンの姿を目にし、「お立ち台」と呼ばれる名撮影地では三脚が林立していました。

只見行きの下り列車は、第4只見川橋梁、第5只見川橋梁と会津大塩のサミットで、

会津若松行きの上り列車は会津蒲生、会津越川〜本名、会津川口の出発、早戸付近、会津宮下のコンクリート橋、会津柳津、会津坂本付近、西若松の阿賀川橋梁

という具合に複数箇所で撮影することができました。

いわゆる「追っかけ」です。

川面に映える鉄橋、只見線
とくに各鉄橋付近では紅葉した樹々が川面に映え、そんな中でのSL撮影が楽しめました。

標題の画像は第4只見川橋梁で捉えたものですが、実はこの鉄橋にはSLが現役だった昭和47年の夏に訪れています。

まだ中坊で機材も腕もない当時、父親から借りたCanonのオートカメラで撮りに来ています。

あれから30年以上も時間が経過してしまいましたが、沿線の風景はあの当時のまま…。

なんだか「ほっと」した気持ちになります。

蒸気機関車はまさにそんな風景にぴったり!

ハマり過ぎているきらいもありますが、タイムマシーンにでも乗ったかのように、SLと会津の風土が醸し出す情景を見つけて駆けずりまわりました。

ラストのカットは、夕陽をバックに阿賀川を渡るSLを捉えて、この日の撮影を締めくくりました



*只見線にて(福島県)
写真は上から
●会津水沼〜会津中川(第4只見川橋梁)
●会津川口〜本名(第5只見川橋梁)
●会津宮下付近(大谷川橋梁)
●西若松〜会津本郷(阿賀川橋梁)

NikonD200+28〜75mm
2007.10.31撮影













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この記事へのコメント
すごーーーい!
これは、てっちゃんじゃなくてもワクワクします!!(笑)
おっかけ!!!!おっかけて撮るのですね!?
これはすごいな~~。
う~~ん。
私は実際に走っているSLなんて見たことがないのですが・・見たくなりましたよ。これは。。
子供にも見せてあげたいな~
Posted by ぴあんぴあん at 2007年11月03日 15:42
只見線天気も良くて盛り上がっているみたいですね!!
しかも煙の出もいいとか・・・。
Posted by 狂電関人 at 2007年11月03日 17:35
ぴあんさんへ
汽車を撮影する時って、「狩り」のイメージでしょうか。
予めフレーミングした所に汽車が「ボッポ、ボッポ」音を出して、煙を上げてやっ来た瞬間、シャッターを押す、その感覚は獲物を仕留めた時に通じるものがあるかもしれません。妙に昂揚感もあったりしてね…。
是非、子供さんにも見せてあげて下さいな。

狂電関人さんへ
そう、気温が低いせいか、機関士さんが気合いを入れているからなのか、今回はいい煙に巡りあいました。
国鉄世代の我々にとって、紅葉と言えば只見線でしたもんね。現役時代に行けなかった無念を少しは晴らすことができたかも!?
Posted by 32Count32Count at 2007年11月03日 20:50
只見線にも行ってみたくなりました。えいせき
Posted by えいせき at 2007年11月03日 21:05
また 素晴らしい景色をありがとうございました!!
最後にSLを見たのは、十数年前 古間の橋の所まで行って下を行くSLを見ました。
あの匂いが懐かしいです!
Posted by vivovivo at 2007年11月03日 22:48
蒸気機関車って力強い!!!
ラストのカット、昔こんな光景を見たことがあるような錯覚に陥りました。
乗ってもみたいし、こんなふうに機関車を見送るのもいいなあ。
Posted by みゅーん at 2007年11月04日 17:32
迫力満点!!

臨場感満点!!

「生きてます!」って感じ。当たり前ではありますが。


「追っかけ」ですか。
い~い趣味もっていますね~
      (中島至誠堂さん風に言いたい)

その緻密な行動力に脱帽!
そして、なかなかのライターですね。

私、水のある風景(感じさせる風景も)が一番すきです。
Posted by うたかた夫人 at 2007年11月05日 08:19
えいせきさんへ
只見線は偉大なる(!?)ローカル線です(笑い)。
ただ、いかんせん運転本数が少ないのがネックです。
なにしろ景色を堪能できる昼間に直通する列車は2往復しかないのですから…。
でも、独特のディーゼルエンジンの音と線路のジョイント聞きながら、車窓を堪能するって、なかなかオツなものです。

vivoさんへ
いつもありがとうございます。
目を県外に向けると、意外とSLを見たり乗ったりすることができますよ〜。
信越本線で走ったデゴイチですか〜。
滅多に地元を走ることがないので、日参しました。
しばらく県内にSL、お目見えしていませんね。

みゅーんさんへ
蒸気機関車の魅力に取り付かれ、フト気がつくと30ン年…。
未だにSLがやってくる姿に興奮してしまいます。
まだ子供です〜(苦笑)。

うたかた夫人さんへ
ありがとうございます。
メインは写真ですが、文章を誉められるととても嬉しいです。
SLは限られた期間に限られた本数しか運転されないので、カット数を稼ぐため「追っかけ」をします。もちろん法定速度をほぼ遵守と胆に命じていますが…。
ところで、私も水のある風景は好きですよ。
なんだか生きる原点をそこに見る気がして…。
意識してかしないかはわかりませんが、結構、水に絡んだ写真、多いかもしれません。
Posted by 32Count32Count at 2007年11月06日 00:20
紅葉のJR只見線今回は行けませんでした、11月のSLは初めてですね またいい写真を見せてください。
Posted by 元雲児 at 2007年11月10日 18:28
元雲児さんへ
初めまして!
紅葉のピークと重なるということもあって、沿線はなかなかの人出でした。
樹々の色づき具合も、煙の出具合も、満足できました。
ちょくちょく、鉄分の濃い!?記事をアップしていますので、また覗いてみて下さいね。
Posted by 32Count32Count at 2007年11月11日 06:21
32countさん こちらこそ初めまして早速の返信ありがとうございました。 信州は雪の季節に入りましたね こちら関東も暖房の用意をする季節になりました、今週末は
秩父鉄道に出没する予定にしてます また何処かで会えるいいですね 私もSLを追いかけあちこち出没しますが
いつまでたっても人にお見せできるような写真が撮れません そんな訳です
Posted by 元雲児 at 2007年11月12日 10:09
元雲児さんへ
秩父鉄道ですか〜。
懐かしいですね。
実家が埼玉の方にあって、SL運転初年は会社サボって試運転撮りに出かけましたっけ。
これから紅葉が良さげですね。
親鼻橋の紅葉、今年は狙ってみようかな!?
Posted by 32Count32Count at 2007年11月12日 22:14
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