2007年12月31日

根室標津から国後島の眺め、一考察

根室標津から国後島の眺め、一考察
前回の記事で根室標津からの国後島を撮った写真で写っている山を見誤りましたが、決定的だったのが「知床サイト」ホームページで、野付半島から見事というまでの国後島の画像を見たからでした。


根室標津から国後島の眺め、一考察根室海峡を隔てて浮かぶ国後島に聳える山を同定していて、基準となる羅臼山と認識していた山が実は泊山で、爺爺(チャチャ)岳と思っていた山が羅臼山だったのです。

根室標津から南にあるため、泊山の向かって右に羅臼山がありますが、この山容はまさに前回アップして泊山の左側に霞んで見える爺爺岳と見誤った山と一致します。

北海道側から国後島は、根室の納沙布岬から知床半島の突端まで見ることができますが、このうち爺爺岳の見える場所というと、納沙布岬と知床半島の羅臼以北が今のところ確認しています。

この2つの場所は南北に120Kmにも及ぶ国後島を南寄りと北寄りの違いがありますが、真横から見ているという共通点があります。

南端の泊山から北端の爺爺岳まで見渡すことができます。

その点、根室標津からだと国後島を縦断する形で見ることになるので、北の爺爺岳に行き着くまで多くの山に阻まれ、望岳には不利な条件と言えます。

奥に位置する山が見えるかどうかは、次の公式で視点からの見かけ上の高さを求めることができます(「車窓の山旅 中央線から見える山」山村正光氏著、実業之日本社刊参照)。

ピタゴラスの定理と地球の沈み量を考慮した導かれた数式だそうです。

h"=H+k{(h-s)-H}÷l

※H=視点の高さ
 h"=求める山の見かけの高さ
 k=基準距離(求める山の透視線上にある前の山までの距離)
 h=求める山の高さ
 s=求める山の沈み量(lの2乗÷12.7)
 l=求める山までの視点からの距離

それぞれの山と距離のデータは次の通りです。

根室標津の標高=5m
爺爺岳の標高=1822m
爺爺岳と重なる山の標高=約340m
根室標津から爺爺岳までの距離=118km
根室標津から爺爺岳と重なる山までの距離=39km

これらの数字を上記方程式に代入すると、

5+39{(1822-1096)-5}÷118(爺爺岳の沈み量は(118×118)÷12.7で計算)

すると爺爺岳の見かけ上の高さは、243m……1

いっぽう、爺爺岳と重なる山の見かけ上の高さは、

340-119=221m(沈み量は(39x39)÷12.7で求めました)……2

あれ〜、計算上は見えることになちゃいました。

でも、他のポジを確認しても、それらしき姿が写っていないから、実際はどうなんでしょうね?

爺爺岳が雲に隠れて見えなかった?、それともデータとして数値になんらかしらの誤りがあった?

可能性としては前山となるピークの標高が詳しく分からないので地勢図から判断して仮に340mとしましたが、これよりも高いのであれば、やはり見えないのかも!?

また、新たな疑問が生まれてしましました。








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この記事へのコメント
Count32さん
日本国政府の腫れ物に触るような外交交渉ではわが国の固有の領土も近い将来には先ず返還される事は二階から目薬を注すより難儀の事と思います。 国後島は野付半島と眼鼻の先 標津線も根北線も廃線から永い時間がたちましたが 過疎地域の鉄道の今後は真っ黒闇ですよ。 昨日は地下鉄(上野~浅草)開通80周年でした東京の地下鉄路線現在13線利便性は抜群の首都圏と限界集落の集まる厳寒の北国では格差が大きく広がるばかりです。
        いいお歳をお迎えください
Posted by 元雲児 at 2007年12月31日 18:01
とても、文系の私の頭では理解できない方程式です。
今後も、すばらしい沿線から望める秀峰をお願いいたします。
Posted by 狂電関人 at 2008年01月05日 12:37
元雲児さんへ
年末年始とお盆の帰省を見るにつけ、これだけの人々が地元で働けたら、どんなに地方が活性化されるか、などと思いますが、現実は都会と地方との格差は広がるばかりのようで…。長野という地方都市に移住して感じるのは、自然がホントに身近にあって、常にそういった恩恵を受けられるということ。とは言え、周辺の中山間地域では高齢化が進んで、あと10年、20年経ったらこういった集落はどうなってしまうのだろう、なんても思います。
国後島を含めた北方四島に関しては、早い返還を望みたいところですが、こちらも前途多難ですね〜。せめて歩いて山登りができる年齢までには、国後島の爺爺岳や択捉島のアタサヌプリ、散布山といった山々を登ってみたいという希望はありますが…。

狂電関人さんへ
私も典型的な私文系でして、高2で履修する微分積分、ベクトルといった内容の「数2B」、たくさんの公式が登場する「物理」、化学式やモルといった内容オンパレードの「化学」がまったく理解不能に陥りまして、あえなく「共通一次」を断念しました。でも、こういった自然科学の分野だったら、今、改めて勉強してもいいかも!?
今年もよろしく、です。
Posted by 32Count32Count at 2008年01月05日 21:52
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