2007年08月05日

碓氷第3橋梁の印象

碓氷第3橋梁の印象
信越本線(旧線)には明治26年(1893)、開業した当時の遺構をたくさん目の当たりにします。

なかでも碓氷第3橋梁(めがね橋は、最大級のレンガ建造物と言えましょう。
碓氷第3橋梁の印象
東京から日本海に達する信越本線のルートは、当時、緊張を強めていた日清、日露との関係から建設が急がれていました。

しかし、関東平野と信州との間には標高差約600mにも及ぶ峠を越えなければなりません。

この碓氷線のルートとして、現在の碓氷バイパスに近いルートなど3つほど候補にあがりましたが、最短ルートで建設できることと、スイスの登山鉄道で採用されて、線路と車両との間に歯車を噛ませて登るアプト式であれば可能ということもあり、現在残るルートが選定されました。

1891年、3月19日、軽井沢方から着工し、早くも翌1892年12月22日に竣工しています。

「穿つ隧道二十六 夢にもこゆる汽車の道」と彼の『信濃の国』に唄われている区間にあたり、当時の土木建築の粋が施され、橋梁やトンネル、変電所にはレンガが組まれて造られています。

碓氷第3橋梁の印象
官営鉄道としては最も早い電化も明治44年(1911)に行なわれています。

とくに碓氷川の渓谷を越えるため、水面からの高さ31m、長さ87.4mという随一の規模を誇り、約200万個のレンガが使用されたという美しい4連アーチの橋梁が、渓谷の緑によく映えています。

国の重要文化財に指定されるこの橋は旧国道や橋の真下から眺めても、実際、橋の上を歩いてみても、そのフォルムの美しさを随所に見ることができます。

それにしてもレンガ建造物に郷愁を覚えるのは、どうしてでしょうか。

コンクリートによる無味乾燥な建造物に比べて、とても深い味わいを感じます。


碓氷第3橋梁の印象
人間の手によりひとつひとつ、レンガを積み上げていったから?

赤味を帯びた色合いも、自然の風景ともよくマッチします。

旧国道からの急な遊歩道を登りつめると、橋の上に立つことができますが、軽井沢側からのトンネルから常に流れてくる冷気によって、しばし暑さを忘れてしまうほど。

明治時代のレトロなアーチ橋を前にして、いろいろなアングルからの撮影を楽しみました。


*旧信越本線・碓氷第橋梁(群馬県安中市)
Nikond200+12〜24mm、28〜75mm
2007.7.28撮影

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この記事へのコメント
こんにちわ!!

めがね橋・・・なんとも綺麗な橋ですね!肉眼で見てみたい(^^)V
Posted by すし屋のうめさん at 2007年08月05日 10:01
すし屋のうめさんへ
群馬県安中市郊外(旧松井田町)の横川から軽井沢に至る旧国道18号線を走っていると、C=33のカーブを曲がると目の前に「ドーン」と見えてきます。
肉眼だとなかなかの迫力ですよ。
横川駅からこのめがね橋までの信越本線のアプト式だった軌道敷跡は遊歩道としても整備されています。
そこかしこに明治のロマンが感じられます。
Posted by 32Count at 2007年08月06日 10:36
私もこのめがね橋のある光景が好きです。

高さが31メートルもあるんですね ( ..)φメモメモ
Posted by みゅーん at 2007年08月06日 15:20
みゅーんさんへ
やはり明治の建造物って、なんかとても風格とともに哀愁があってイイものです。
場所はかなり離れますが、兵庫県の山陰本線には明治後期に造られた「餘部鉄橋」があります。こちらも長きにわたっての風雪や塩害の影響で架け替えが決まっています。
こちらの映像も近々アップしますので、碓氷橋と見比べて下さい。
Posted by 32Count at 2007年08月06日 22:15
いいなあ、餘部も行ったんだ。。
Posted by もり at 2007年08月06日 22:33
私のブログ(http://sak.naganoblog.jp)への訪問&書き込みありがとうございました。
私もちょうどこの頃、眼鏡橋を見に行きました。

餘部鉄橋もぜひ今年中に見に行きたいと思っています。
Posted by sak at 2007年09月09日 22:50
sakさんへ
明治の建造物って、味わいがあっていいものですね〜。
餘部鉄橋の今の状態はよく分からないのですが、海岸ベリに聳える大鉄橋、現役で使われている間に見ておくことをおススメします。
Posted by 32Count at 2007年09月10日 08:09
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