コッペル2号との再会

32Count

2007年10月21日 21:00


週末の20日、21日の両日で運転された「SLえちご日本海」号。

このイベントに併せて上越市頸城区にある旧頸城鉄道の百間町車庫が公開されました。
ここの車庫にはマニア垂涎の車両群が地元の有志の方々により大切に保管されています。
なかでも「コッペル2号」

1911年(明治44)、ドイツのコッペル社が、産業用に製造した蒸気機関車です。

ゲージ(レール幅)は762mm、旧国鉄が採用した1067mmよりも300mmも狭く、自動車と道路が普及する以前、簡易的に敷設された軽便鉄道で活躍していました。

全長も4mそこそこしかなく、ともすると愛車よりも小さいかも!?

この頸城鉄道では廃止となる1971年(昭和46)まで在籍した後、1972年から1977年までは、なんと首都圏の大手私鉄、西武鉄道の、通称「おとぎ電車」で親しまれた西武山口線(遊園地前〜ユネスコ村)で活躍していました。

西武鉄道時代は「謙信号」の称号が与えられていました。

当時は鉄道百周年ということと、SLがブームであったという時代背景が重なり、西武鉄道への入線が叶ったのかもしれません。

当時住んでいた東京都下の小平からは電車だと一本でアプローチできたばかりか、チャリンコでもじゅうぶん行けたので、よくこのSLを撮りに、乗りに出かけたものでした。

いつの間にか後がまの蒸気機関車に置き換わって、西武山口線では見られなくなったと思ったら、貸借の期間が終わって、里帰りしていたのですね。

あれから30年…。

秋晴れの頸城の地で再会を果たすことができました。

細長い煙突、小さな3つの動輪、蒸気溜と汽笛、小さな連結器、吹きさらしの運転台、窯の焚き口、赤いプレートと銘板…という具合に、細部のパーツから全体のフォルムまでをじっくりとなめ回すように見ると、懐かしさがこみ上げてきます。

心の奥底に沈んでいたアルバムが目の前に現われ、小学生から中学生だった頃の、まだ鉄道写真を撮り始めた時代まで、時が戻ったかのような感覚を覚えました。

きっと顔つきは子供に戻っていたでしょうね。

いわば鉄道趣味の原点とも言える機関車に再会の念願を果たせ、気分は晴れ晴れ。

大きなSLもいいですけど、こういった軽便SLも味わい深いです。

保存会の方々には感謝!です。

また、明日からの一週間、なんとか乗り切れそう





*新潟県上越市頸城区、旧頸城鉄道百間町車庫にて
写真は上から
●コッペル2号の雄姿と客車、ディーゼル機関車、右の傍らには木造気動車「ホジ」
●軽便の小さな木造客車から見たコッペル2号の後姿
●栄光のコッペルの銘鈑、ベルリン、ロンドン、ニューヨークという文字とともに1911の数字も見られる
●コッペル2号のサイドビュー。全長4.9m、高さ2.9m、全幅1.7mのミニSL
NikonD200+28〜75mm
2007.10.21撮影








関連記事