川面に映える鉄橋、只見線
♪今は鉄橋、渡るぞと〜、とは唱歌の一節ですが、汽車旅で鉄橋を渡る瞬間はなにかワクワクするものがあります。
「ガタン、ガタン」
レールのジョイント音が橋脚の鉄板を介して、あたりにこだまします。
視界が開けて、美しい渓谷や川面を見渡せます。
このブログで何度か登場している
JR只見線。
会津若松から小出までの135.2Kmの間には数多くの鉄橋が存在します。
福島県側では只見川を登りつめ、六十里越えした後は末沢川、破間川を下っていきます。
とくに只見川に沿って走る会津柳津〜只見間は、本流の只見川を合計8回も渡ります。
鉄橋の形状は
アーチ橋あり、トラス橋あり、上部アーチ橋ありという具合にバリエーションに富んでいます。
電源開発として各所で川をせき止められ、ところによってはエメラルドグリーンの水が湖のように広がります。
そんな鉄橋を渡る列車は一幅の絵画を見るようです。
秋たけなわの11月3日〜4日の両日、会津若松〜只見で蒸気機関車が運転されています。
SLは
C11-325というもの。
おもに支線の客車列車、貨物列車をけん引するために造られました。
かつてはこの只見線でも走っていましたが、昭和47年にレールを去っています。
数年前から観光用にと、年に数回ほど、再び沿線で煙が見られ、汽笛が聞かれるようになりました。
SLは通常、栃木県の真岡鐵道という3セクの鉄道会社が保有しているものがレンタルされます。
今月の本運転に先駆けて10月30日〜11月1日まで試運転が行なわれ、その一日をSL撮影に充てることができました。
ほぼ毎年、秋にSLが運転されるのですが、紅葉のピークと重なるのは恐らく初めて!?
なので沿線には平日にもかかわらず、多くのファンの姿を目にし、「お立ち台」と呼ばれる名撮影地では三脚が林立していました。
只見行きの下り列車は、第4只見川橋梁、第5只見川橋梁と会津大塩のサミットで、
会津若松行きの上り列車は会津蒲生、会津越川〜本名、会津川口の出発、早戸付近、会津宮下のコンクリート橋、会津柳津、会津坂本付近、西若松の阿賀川橋梁
という具合に複数箇所で撮影することができました。
いわゆる「追っかけ」です。
とくに
各鉄橋付近では紅葉した樹々が川面に映え、そんな中でのSL撮影が楽しめました。
標題の画像は第4只見川橋梁で捉えたものですが、実はこの鉄橋にはSLが現役だった昭和47年の夏に訪れています。
まだ中坊で機材も腕もない当時、父親から借りたCanonのオートカメラで撮りに来ています。
あれから30年以上も時間が経過してしまいましたが、沿線の風景はあの当時のまま…。
なんだか「ほっと」した気持ちになります。
蒸気機関車はまさにそんな風景にぴったり!
ハマり過ぎているきらいもありますが、タイムマシーンにでも乗ったかのように、SLと会津の風土が醸し出す情景を見つけて駆けずりまわりました。
ラストのカットは、夕陽をバックに阿賀川を渡るSLを捉えて、この日の撮影を締めくくりました。
*只見線にて(福島県)
写真は上から
●会津水沼〜会津中川(第4只見川橋梁)
●会津川口〜本名(第5只見川橋梁)
●会津宮下付近(大谷川橋梁)
●西若松〜会津本郷(阿賀川橋梁)
NikonD200+28〜75mm
2007.10.31撮影
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