EF58157+ナコ座@伊吹山
前々回、EF58ネタをアップしたので、ゴハチと名山の絡みをもうひとつ。
中部地方と近畿地方との境界、「天下分け目」の戦が繰り広げられた関ヶ原に聳える伊吹山(1377m)とのコラボです。
東海道本線からは、柏原から近江長岡にかけて車窓にその存在感を大きく見せてくれます。
日本列島のくびれとなっている位置にあるため、殊に冬場は季節風の影響を受けやすく、山全体が冠雪しています。
そんな伊吹山麓を行き交う鉄道車輛を捉えたくての遠征でしたが、着いた当日は吹雪で視界不良。
翌日も朝方は曇天模様でしたが、午後近くになって晴れ間が出て来て、あれよあれよという間に伊吹山が姿を現してくれ、ボンネット型の特急「しらさぎ」やローカル電車、貨物列車などを撮り、雰囲気を変えるため移動すると、雪原にカメラの砲列が…。
訊くとゴハチがナコ座を牽いてくるとのこと。
ナコ座とは、国鉄時代、名古屋鉄道管理局が12系客車を改造したお座敷列車のことで、編成の車端部2両がオープンデッキになっていることが外観的な特徴といえましょうか。
塗装は12系座席車のものを踏襲して、この頃、華やかな「ジョイフルトレイン」としては、むしろ地味な色合いでしたが、それがかえって良かったりもしました。
表題の写真はそんなナコ座を、同じJR東海所属のEF58-157が牽引しています。
列車の通過直前、伊吹山の一部が翳ってしまったのが残念ではありましたが、列車には光がじゅうぶん回っていて、いわゆる「抜けのいい」カットを撮ることができました。
ゴハチの屋根には昨夜来の雪が降り積もっています。
旅客列車における動力車の分散化傾向(電車化、気動車化)が強まる日本の鉄道において、このナコ座は1999年に廃車、牽引のEF58-157はその後、飯田線のトロッコ列車やレールの運搬などの運用をこなしていましたが、2007年に第一線を退いています。
「青い」ゴハチとしては最後の現役車輌でした。
*東海道本線・柏原〜近江長岡(滋賀県米原市)
NikonF4+80〜200mm(RVP)
1993.2.2撮影
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