2012年11月26日

第1回富士山マラソン実走記

▼霊峰・富士を眺めながらのストレッチ&アップ。陽が湖岸に当たっておらずとても寒かったのですが、至福の時でした。この時、DNSの方が5000人もいたとはつゆ知らず…、申し訳ないです
第1回富士山マラソン実走記

2012年11月25日はまさにマラソンで列島が染まった、そんないち日だったかと思います。
つくばに大阪、神戸、そして私がエントリーした富士山…。

大きなフルマラソンの大会が4つも開かれ、ン万人のランナーが42.195kmに挑むのですから、

マラソンブームもここまで来たかという思いでこの日を迎えました。

●当日のウェアについて

富士山麓の、標高850〜900m前後の高原というシチュエーションと11月下旬という季節的な要素が重なり、河口湖時代からスタート時の気温は0℃前後と真冬並みに冷え込むため、

ウェアはとにかく肌の露出を避けるものを選びました。

トップスはUNDER ARMOURのロンTに、ランシャツを重ねて、ボトムスは膝丈のハーフパンツ、

ソックスは五本指ですが、くるぶしを覆うもの、

それに手袋着用という具合に防寒に備えました。

じつは手袋、自宅に忘れてしまい甲府市内で見つけた「ドンキ」で急遽税込み103円のものを購入したのですが、これが後々まで功を奏したようで、指先から襲ってくる冷えを防ぐことができました。

●前泊は河口湖畔の道の駅「かつやま」

自宅を前日の10時頃に出発。

せっかくなので、途中、撮影をしながら移動をしました。

第1回富士山マラソン実走記

その中でのひとコマ、小海線の小淵沢〜甲斐小泉間の「大曲り」で午後の陽射しの甲斐駒ヶ岳をバックに↑撮りました。

国道20号線を東進。

ウェアの項目でも書きましたが、甲府市内のドンキで手袋を購入したり、スーパーで翌朝食を購入しながら、河口湖畔へ。

河口湖畔の宿の予約は全滅だったので、道の駅を前泊地に求めました。

我がワンボックスカー、3列のシート全てを倒すとベッドに早変わり。

これに羽毛のシュラフにくるまれば、ちょっとしたカプセルホテルよりも快適な空間となるのです。

氷点下の朝方、気持ちよく目覚めることができました。

●当日の朝と駐車場選び

レース当日は5時に起床。

寝起きであまり食欲はないのですが、無理してサンドイッチとりんご1ケをお茶で流し込みます。

レース朝の通じの有無は結構、大事なことなのですが、何故か緊張してしまい傑出せず(爆)。

道の駅を6時過ぎに出発、富士急ハイランド近くの公式パーキングを目指します。

途中、スタート地点近くに民間の駐車場がいくつかあり、その一軒に立ち止まって料金を訊くと1日=2000円の返答にたじろぎ、富士急ハイランドの駐車場を目指しましたが…。

国道139号線に出ると、インターからのクルマが数珠つなぎの状態で、ほとんど動く気配がなく、

下手をするとDNS(Did Not Start)になりかねないと思い、安全なところでUターン。

来た道を戻り、湖畔の民間パーキングになんとか6時半頃に潜り込むことができました。

普段はぼけ〜とした「昼行灯」を自認するのですが、なぜか有事の時、勘が働いてくれます。

2000円をケチって、出走できないとなれば、まさに本末転倒ものでした。

T-FMの「JOGLIS」を聴きながらのストレッチでテンションを高めます。

放送は神戸マラソンの会場からのものでした。

アップで湖畔を走ると富士山が湖岸に浮かんでいたのに加え、南アルプスも見えていたので、

▼河口湖大橋越しに見る南アルプスの雪山。透視線を引くと赤石岳!?
第1回富士山マラソン実走記

デジタル一眼レフカメラでパチリ☆彡

絶好の「鉄道百名山」日和、否、第1回富士山マラソン日和でした。

●スタート〜中間点


スタート地点までは歩いて6〜7分の距離でした。

結果的には2000円の価値はじゅうぶんあったと思います。

お陰サマでBブロックの中ほどにポジションを確保することができました。

スタート前、瀬古利彦さん、有森裕子さん、サンプラザ中野くんのスピーチとスターターは菅原文太さんという豪華な顔ぶれで、午前8時15分号砲一発!

8時時点の気温はマイナス0.2℃、湿度88%。

スタートラインを跨ぐまでは49秒、エントリー数を考えると、割合いいい位置につくことができました。

毎度のことながら、スタート直後は団子状態で、なかなか自分のペースを確保することができず、

かと言って、無理な追い越しをすると、後々、祟ってくるのでここは我慢、流れるままにまかせます。

コースが富士山に向って明らかに上る2km地点!?付近から、バラけてきて、ようやく気持ちのいいペースでランニングに移行することができました。

ここは河口湖マラソンで経験済みのコース、富士山に向っての緩やかな登りは気持ちいい♪

東恋路交差点の折り返しでコースは下りに。

▼20〜25kmにかけての急激な右肩上がりの断面図に注目!フルマラソンで正直、あり得ない急勾配でしたっicon10
第1回富士山マラソン実走記

レース直後もあって荒々しかった呼吸のここでひと段落。

5km地点までは惰性で走ります。

5km地点の通過ラップは24分47秒。

スタート直後の混乱を加味すれば、サブ3.5を狙う私としてはまあまあのタイム!?

前泊した道の駅かつやまを過ぎると、河口湖畔の南岸の道へ。

山の陰となっているため、直射日光はなく、やや寒い思いをしながら、やがて八木崎公園先の10km地点へ。

5km〜10kmのラップは24分05秒。

安定したクルーズに移行した感じです。

1kmごとの距離表示がないので、キロラップを測ることはできませんでしたが、「ランネット」のリザルトを見ると、このあたりでキロ=4分48〜50秒というところ。

我ながら体内時計の正確さには驚くばかりでした。

河口湖大橋を緩やかに上って下って北岸へ。

こちらに移ると日だまりが豊富でようやく太陽の温かさを実感したのに加え、富士山の眺めがなんとも言えずで、

結果的にはこのあたりが一番、富士山マラソンの実感を愉しんでいたと思われます。

10〜15kmのラップは、24分20秒、相変わらず快調♪です。

ところが…、

不覚にもこのあたりから尿意をもよおしてきたのですが、そのあたりでの「立ちション」はランナーとしての尊厳にかかわることですので、やはり御法度。

このまま尿意を我慢してレースを続けるか、トイレに入って排出するかの二者選択に迫られましたが、

そうこうしているうちに20km地点を通過。

15〜20kmのラップは24分02秒。

そして…、

少し長いトンネルを抜けた先にありました、トイレが。

一瞬過ぎ去りましたが、左手にトイレの存在に気づき、きびすを返してトイレに駆け込むと、

後から他のランナーさんが続々と入ってきました。

皆さん、我慢していたのですね〜。

下半身の、ありったけの水分を便器に放出して、ランニングを再開。

気持ち的にカラダが軽くなりました。

中間点は1時間44分15秒で通過。

このラップを後半も刻めばサブ3.5は確実と思いました。

●河口湖から西湖への登りに精力を使い果たした結果は…

が、河口湖から西湖にかけては高低差70〜80mを、わずか1kmあまりで登り詰める「心臓破りの急坂」が控えていました。

大雑把に7〜8%の急坂。

地元、大町アルプスマラソンではかなり激しい高低差が存在しますが、それは長い距離を走ってのもので、勾配はわりあい緩やかで…、

この富士山マラソンの22〜23kmに関しては正直、あり得ないと思いました。

鉄道で言うと、かつて存在した信越本線の横川〜軽井沢間か、箱根登山鉄道並み!?

レース前の瀬古利彦さんのスピーチで、箱根駅伝5区の山登り、東洋大の柏原選手のつもりで…と話されたコトは、冗談ではなく現実的なもので…、

とにかく山国・信州のランナーで、日頃山道でのトレーニングを積むひとりとしては、ここでの失速は最低限のものにしなければならない、などと言う、妙な気負いがあって、

蒸気機関車がサミットを挑むがごとく、連続投炭の力行運転。

鼻と口でできるだけの酸素を吸入して、二酸化炭素を排出して、急坂に挑みました。

その甲斐あって、ここでは面白いように前のランナーさんを追い越すことができました。

二段構造になっていて、道の先が拝み勾配になっていたので、サミットは越えたと思われましたが、緩傾斜ののちさらに坂道が続いていたのには、かなり凹みました。

峠はトンネル付近みたいで、入口から先は惰性で走ることができ、目の前には西湖が広がりました。

西湖の北岸も、気持ちのいい陽光が降りそそぎ、快適に距離を稼ぐことができました。

20〜25kmのラップは26分51秒かかっていますが、トイレ休憩を約1分ちょっとを差し引くと、実質、25分台と、急坂の割りには健闘したタイムだと思います。

ここまで2時間04分台で走っているということは、キロ5分未満で走っていて、このまま後半戦も走ることができたら、と思っていました。

ところが…、

25kmを過ぎたあたりから急にカラダが重く感じられ、脚が思うように前に出なくなりました。

急坂を頑張りすぎたツケがモロに現れてきたのです。

あたかもリチウム電池が消耗した時のように、突然、これまでのように走ることが困難になりました。

いわゆる「ガス欠」状態。

それまでの給水は走りながら、できるだけロスがないようにしていましたが、ここから先、27.9kmの「西湖いやしの里根場」の給水では歩きながら、バナナとチョコレートを貪りながらでした。

ランニングからジョギング程度までとみるみる速度は落ちていきます。

西湖南岸のアップダウンがそれに追い打ちをかけてくるようでした。

這々の態でなんとか往路の合流地点へと達し、トンネルまでの登りを歩くような速度でなんとか越えましたが、

一転して下る急坂に脚は対応できず、下りにかかわらずここもジョギング並みに下ります。

上から見ると河口湖畔まで続く坂道の激しさを改めて思い知りました。

25〜35kmのラップはなんと59分、キロ6分台まで落ち込んでしまいました。

この先は心身ともに極限の状態まで達し、とても前を見て走ることができず、うつむき加減に自分の直前に見えるものだけを見てのジョギング。

残り5kmまでなり、あとはわりわい平坦だったと思います。

河口湖や富士山を愛でる余裕はすで無くなっていました。

とにかく早くゴールしてこの苦しみから逃れることを考えていました。

35〜40kmのラップは32分26秒。

落ちるところまで落ちてしまいましたが、歩くことはせず、ジョギング程度に保ちながらもゴールを目指しているのは救いでした。

ゴールまで1kmを過ぎたあたり、黄色い声援が私の名前を叫んでくれたようでしたが、

とても沿道の応援は目が入らず、無視してしまったようでゴメンナサイ!

最後の力をふり絞りなんとか、ランニングのスタイルでフィニッシュ。

タイムは目標の3時間29分台を大幅に遅い3時間49分22秒(グロスタイム)。

この過酷なコース、走り込んでいないと取り繕えないことを実感した第1回富士山マラソンでした。

(長文失礼しました)


*第1回富士山マラソンにて(山梨県富士河口湖町)
NikonD700+VR24〜120mm
2012.11.25実走


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この記事へのコメント
32Countさん
更新&富士山マラソン遠征お疲れ様でした。
土曜日の天気では極寒?で雨も降っていて最悪のコンディションにならなければ良いけどと思ってましたが天気に恵まれて良かったですね。寒かった物のマラソン日和でしたね。
何よりも富士山らしいマラソンコースを無事完走されて楽しまれたみたいで何よりです。
Posted by たかヤン at 2012年11月26日 23:42
完走おめでとうござ゛います。

西湖のあたりの勾配は、車で走ってもかなりあると
感じられますので、本当にお疲れ様でした。

この日私は、河口湖駅から天下茶屋行きのバスに
乗って三ッ峠に行ってきました。
駅前での大渋滞に遭遇しバスが遅れてしまい、
昼過ぎの山頂では富士山は雲の中でしたが、
白根三山、八ヶ岳、そして穂高まで良く見えて、
気分爽快でした。
ランナーの方々も最高の天気のなか楽しまれたと
思います。
ただ帰りの三ッ峠駅から乗った189系あずさ色の
ホリデー快速の殺人的な混雑には驚きました。
Posted by kazuhi49 at 2012年11月27日 08:15
たかヤンさんへ
絶好の天気と富士山に後押しされてなんとか完走できましたが、多くのランナーさんが目前に到着していながらも走ることができなかったので、正直、複雑な心境です。
来年こそは、久しぶりのサブ3.5を狙いたいと思います。

kazuhi49さんへ
河口湖から西湖への登り、ホント尋常ではない登りに精力を使い果たした感がありました。
フルマラソンとしては過酷ですね。
当日、三ツ峠に登られたとのことですが、毎度、ここに設置されているライブカメラにはお世話になっています。
間近の富士山の眺望は残念でしたが、南や八ツ、穂高まで見える大展望は羨ましいです。
これからの季節、関東方面の低山歩きも良さそうです。
帰りに乗られた183系、河口湖駅で撮っていました。
Posted by 32Count32Count at 2012年11月27日 22:06
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